e 嵐の夜に。
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嵐の夜に。


窓の外を走る閃光に、僕は体を強張らせた。

遅れて届く、轟音。
素早くカーテンを引いて、彼の側へ逃げ帰る。


「なんていうかさ。…雷って慣れないよな」

御剣はリモコンに手を伸ばし、DVDの音量を上げている。

「キミは相変わらず雷が苦手だな」

「苦手っていうかさ…不気味だろ。落ちたらイヤだしさ…」

カウチソファーの背もたれに寄り掛かれば、また空が割れる。
咄嗟に拳を作り、声を飲み込んだ。

「成歩堂」

横からは、何故か嬉しそうな恋人の声。

「怖ければ、手を握っていてもいいのだよ」

「…お前なあ」

軽く睨んで、肩を揺らす彼の手を、素早くつかまえる。
じわりと伝わる彼の温度。

抗議するように強く握ってやれば、負けじと握り返すところが憎らしい。


「この程度の雨ならば、すぐにおさまるだろう」

「そうかな?」

「うム。だから安心したまえ」


それはきまって嵐の夜。

繋がる僕の手と
お前の手。


「やっぱり、慣れないや」


雷より大きな胸の高鳴りに
僕はまた、驚くんだ。


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