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日記より 宝塚版「逆転裁判3 検事マイルズ・エッジワース」

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成歩堂
「ううう、ダメだって。まずいって。危ないって。
 ステージから降りて客席の方を回るなんて
 危険すぎるだろ! エッジワース! 呑気に歌ってないで早く戻れってば!」

御剣
「…先ほどから隣の席で何をブツブツ言ってるのだ、キミは。
 観劇中の私語は厳禁だと言っただろう」

成歩堂
「そ、そんなこと言ったってさ。
 御剣と同じ顔した人が出てるんだぞ!
 いつもよりヒラヒラ度とキラキラ度 3割増しで!
 オバチャンみたいな過激なファンに襲われたらどうするんだよ。無防備すぎるだろッ」

御剣
「(キミはいつもより3割増しでギラギラしているようだが…)
 …安心したまえ。この舞台にはそのようなマナーの悪い者はいない。
 まずは落ち着き、周りの婦人のように品良く鑑賞することだ」

成歩堂
「ちょっと! そこの検事はお触り厳禁ですから!」

御剣
「人の話を聞いているのか、キサマはッ!

 …仕方あるまい。席から身を乗り出さずに、私の手を握っていたまえ。
 だらだら流れるその汗も、少しは落ち着くだろう」

成歩堂
「え? いやいやいや! こ、公共の場で手を繋ぐのはマズイだろ。
 僕の隣には矢張もいるんだしさ…」

御剣
「心配は無用だ。ヤツの目は舞台の上のアリソン嬢しか見ていない。
 ハート型を描いた両目がその証拠だ。
 我々が手を繋いでも、この薄暗さでは、他に気付くものなどいない」

成歩堂
「ううう、ズルイよ御剣。…今日泊まりに行っていい?」

御剣
「み、耳元で囁くなッ! とにかく舞台に集中し、私語を慎めと言っているのだ…ッ!

 ―見たまえ。
 いよいよ物語はクライマックスへと向かう。
 法廷で行われる二人のエッジワース氏の激しい攻防対決。そして…」

糸鋸
「うおおおおお! 感激ッス! 素晴らしいッス!
 自分、親子の愛情の深さに猛烈に心打たれたッス!
 おおおおお! 目から、熱いものが流れて止まらないッス!」

御剣
「キサマも落ち着きたまえ、糸鋸刑事!
 ち、父が歌っているときに、でかい音で鼻を噛むのはやめたまえ!」



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